「抗がん剤をしない」と決めた母のがん闘病生活

父亡き後、血圧の薬をもらっている病院から「貧血になっているので一度、検査をしてみてください」と言われ大腸癌検査をしたところ、ステージⅢの大腸がんが見つかり、すぐに入院して手術となりました。

術後の経過も良く、元の生活に戻り人生を満喫していたのですが、3年後に「再発」を告げられました。

この時はすでにステージ4の段階で末期がんとなっていました。

抗がん剤の治療を勧める医師に対し、母は「抗がん剤の治療をし続けることは嫌だ」ときっぱりと断り在宅治療に切り替えました。

母は2週間に一度、先生が訪問する以外の日は習い事をしたり、お友達とランチや旅行に行くなど充実した日々を過ごしていました。

在宅医療の先生からは「好きなものを何でも食べていいからね」と言われていたので、大好きなお寿司やウナギもたくさん食べていました。

こうして心身ともにリラックスしていたのが良かったのか、先の病院では「長くて半年、短くて3ヶ月」と言われていた母は約2年間生き延びることができました。

残された時間をどう過ごすかは本人次第ではありますが、母は死ぬ直前まで「この選択で良かった」と話していました。