がんの父の「わがまま」に泣かされて

父が胆管ガンで闘病しましたが、唯一の家族として大変だったのは、実は父の「わがまま」でした。これまでにかかった、それほど重篤ではない病気でも、父は人と合わなくて大部屋を嫌い、個室に入りたがりました。ましてガンで手術となると、個室を希望するのは当然です。保険も高額療養費制度も、個室の利用費には適用されないので、父の年金では賄いきれません。また、ちょっとしたことで私を病院に呼びつけるので、1日に何度も駆けつけねばならず、自宅でやっていた仕事も思うようにできなくなりました。だから、とにかく自分の時間がなく、経済的にも苦しかったです。

再発して緩和ケアに移行するとき、手術した病院には緩和病棟がなく、転院か在宅療養かを選ばされました。父の性格として「変化」を嫌う、という面があったので、転院は避けて在宅を選択しました。苦労することになると覚悟していましたが、国の政策的に「長期療養や介護は在宅で」という流れになっているからか、いろいろとサポートがあって助かりました。訪問看護などは、看護師を毎日よこしてもらっても、後期高齢者には費用負担に上限があるのです。それに家から病院に呼びつけられることを思えば、同じ家にいて呼ばれる方が時間にムダがありません。父がよく寝ている間に在宅仕事もできましたし、介護保険もうまく利用して、私自身の負担は軽くて済みました。費用も、入院しているより(個室利用の場合)、ずっと安く上がりました。

何もかも自分で背負わねば、と思い込まないことです。もっと先の時代になったらまた状況は変わるかもしれませんが、今は医療費の削減とか、大病院に患者が集中するのを何とかしようとして、国が改革に動いています。よく情勢を読んで、利用できるものは利用することです。

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